鳥籠

鳥籠

昨日は満月でした。
帰り道に気づきました。
満月の夜は、境界が曖昧になりやすい。


『竹取物語』、かぐや姫の絵本が子供の頃大好きだった。

子供ながら、なんだこの違和感は?

って。

全く、悲しい物語じゃない。
全く、愛を感じない。

玉のように美しい姫は、月に還っていく。
国中の権力のある男が、世界の価値のあるものを差し出し求婚する。
おじいさんもおばあさんも必死でかぐや姫が還らぬようにあがく。

「かぐや姫はなんて美しく優しい娘なんだ」

本当にそう?
かぐや姫は美しい。ただし冷酷。

非情なほど、かぐや姫は応じない。
誰も傷つけず、ただ、悲しみと喪失感、無力感、人間の愚かさを突きつける。

月に還る運命なのだと。
私は誰のモノにもなれない。と。


“美しいものは所有できない。”
私はこれをかぐや姫から感じた。

世の中の人間は所有したがる。
特に男性は所有をすることがステータスやプライドに繋がる方が多い。

だけど、本当に美しいものは決して手に入らない。
だから人は心を奪われる。

水は美しい。
流れているから清い。
容器に入れた時点から腐り始める。

この世界で本当の自由は簡単には手に入らない。


何かに囚われ、身に纏わりつき、
何かに怯え、凍り付き、
叫ぶことすらできない声を。

私は理解したい。
そういう人の顔を。

美しく生きたいと願うなら。
内側をみて、それをわかる人間だけを信じて。
籠を作らず、あなたの傍にいたいのが心だから。

では、また💙

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